神奈川への移住で支援金はもらえる?対象地域は?田舎移住の注意点も解説
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東京からアクセスしやすく、山や海などの自然も豊かな神奈川。
「都心にあるオフィスへ通勤可能な範囲で移住をしたい」「子どもたちがのびのび暮らせる土地に引っ越しをしたい」と思っている方の中には、神奈川への移住を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、神奈川で移住支援金がもらえる地域、支援金の内容や支給条件についてお伝えします。神奈川の田舎へ移住する際の注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
移住支援の内容は執筆時点の情報となっておりますので、最新情報は各窓口へご確認ください。
神奈川で移住支援金が出るのは一部の地域のみ
移住するメリットの1つに「支援金の支給」がありますが、神奈川で移住支援金を支給しているのは一部の町や村に限定されているため注意が必要です。
移住先を紹介する前に、まずは支援金の対象地域や概要をお伝えしていきます。
支援金の対象地域
神奈川への移住で支援金が支給されるのは、「条件不利地域」に指定されている次の地域のみです。
- 山北町(やまきたまち)
- 真鶴町(まなづるまち)
- 清川村(きよかわむら)
条件不利地域は「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」の対象地域を有する市町村を指し、簡単に言うと自然や地理的な問題で経済的に不利な地域のことです。
神奈川県への移住で「支援金を活用して経済的な負担を軽減したい」と考えている方は、これらの地域への移住を検討してみてください。
移住支援金の概要と支援金額
移住支援金とは、東京23区に在住または通勤していて、東京圏外へ移住して起業や就業等をする人に対し、都道府県と市町村が共同で支給する交付金のことです。
支援金額は単身世帯の上限が60万円、2人以上の世帯は100万円まで、18歳未満の子どもがいる場合は1人につき最大100万円が加算されます。そして神奈川県への移住で移住支援金を受給するためには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 移住前の10年間で通算5年以上かつ直近で1年以上東京23区に在住、または東京圏から東京23区に通勤していた
- 東京圏の条件不利地域への移住
- 地域の中小企業等への就業やテレワークにより移住前の業務を継続、あるいは地域で社会的起業などを実施する
参考:内閣官房・内閣府総合サイト「移住支援金」
支援金を受給するためには他にも細やかな条件があるので、詳しくは「内閣府総合サイト」をご覧ください。
「山北町」の魅力
移住支援金についてお伝えしたので、ここからは神奈川で移住支援金の対象となっている山北町・真鶴町・清川村の魅力をお伝えしていきます。まずは山北町から見ていきましょう。
都会からほど良い距離で田舎暮らしができる
山北町は町域の9割が丹沢山塊に囲まれており、「程よい田舎暮らし」に憧れている方にぴったりの町です。
横浜まで車で約1時間、電車なら約80分、新宿駅までは電車で約90分ほどで出られます。また、2027年には山北スマートインターチェンジ(参考:山北町|(仮称)山北スマートインターチェンジ)が開通予定なので、ますます都会へのアクセスが良くなります。
そしてアクセス面だけではなく、アクティビティが充実しているのも山北町の魅力です。
ハイキングにおすすめの「ユーシン渓谷」や「大野山」があり、武田信玄を癒したと伝えられている「中川温泉」や「さくらの湯」などで温泉も楽しめます。
若者・子育て世帯への移住支援に積極的
山北町は結婚や子育て支援を積極的に行っており、出産祝い金や紙おむつの支給、医療費の助成など、若者や子育て世帯へのサポートが手厚いことが移住する魅力の1つです。
少子化対策のために導入された「結婚新生活支援事業」では、次のような結婚のためにかかった費用の一部が補助されます。
- 住宅購入費
- 賃料、敷金、礼金、共益費、仲介手数料
- 引っ越し費用
- リフォーム費用
そして補助上限額は、婚姻届の受理日における年齢によって決まっています。
- 夫婦のどちらも39歳以下:30万円
- 夫婦のどちらも29歳以下:60万円
参考:山北町「結婚新生活支援事業」
申請期限はその年度の4月1日から3月31日までで、補助対象となるのはその年度の4月1日から3月31日までの間にかかった費用です。詳しくは山北町のHPをご覧ください。
また、JR御殿場線「東山北」駅から徒歩約8分の場所には、移住者の定住促進住宅として「みずかみテラス」が建設されました。子育てや暮らしやすさに重点を置いたデザインや性能の住宅に、格安の賃貸料金で暮らすことができます。
「真鶴町」の魅力
続いて、山北町と同じく移住支援金の対象となっている真鶴町の魅力をお伝えしていきます。
温暖で過ごしやすい
箱根山の南東に位置する真鶴町は、山と海に囲まれた相模湾に突き出た港町です。静岡県からも近く、JR東海道線の舞鶴駅付近では住宅地の整備が進んでいることから、近年若者の移住希望者が増えています。
そして港町ならではの「海の幸」も真鶴町の魅力の1つ。魚屋には相模湾で獲れた活きのいい魚が並び、活魚料理店ではいつでも美味しい魚介類を食べられます。
お試し移住ができる
真鶴町では移住希望者を対象とした、お試し移住体験事業も行っています。
真鶴駅から徒歩約7分の場所にある「くらしかる舞鶴」では、1週間限定で移住に向けた生活体験ができます。空家を改装した施設なので、移住生活をよりリアルに体験できるのがポイントです。
ただし、くらしかる舞鶴で移住体験をするためには、次の利用条件をすべて満たす必要があります。
- 真鶴町に移住を希望・検討している人
- 地域住民と円滑かつ積極的に交流を持てる人
- 体験期間中、町歩きや真鶴町役場にて職員と移住に係る面談、不動産物件めぐりへ参加できる人
- 退去時に体験期間についてのヒアリングに協力できる人
- お試し移住体験事業参加後の追跡調査に協力できる人
参考:真鶴町「くらしかる真鶴ー真鶴町お試し移住体験事業ー」
どれも難しい条件ではなく「移住に対して前向きであるか」を問う条件なので、条件に当てはまる方は、移住前に1週間の生活体験をしてみてはいかがでしょうか。
「清川村」の魅力
神奈川県で移住給付金が支給される3つめの対象地域である、清川村の魅力をお伝えします。
自然に囲まれてのんびり暮らせる
清川村は神奈川で唯一の「村」で、村内の9割が森林に囲まれている自然豊かな場所です。
田舎的な一面がある一方で「東京から一番近い村」とも呼ばれており、都心までは車で1時間半ほどでアクセスできます。
町内には登山体験やSUP(スタンドアップパドルボード)、カヌー体験など、自然を活かしたアクティビティが充実しており、子どもたちがのびのびと暮らせる環境が整っています。
月に数回都内のオフィスへ通勤し、週末は自然に囲まれてスローライフを過ごしたいと考えている方にぴったりの場所です。
移住・子育て支援が整っている
清川村は子どもたちがのびのびと過ごせる環境だけではなく、手厚い移住支援や子育て支援も魅力の1つです。
出産すると子ども1人当たり10万円が支給される「きよかわっ子誕生お祝い金」や、子どもが2歳半になるまで月額4,500円分のクーポンが支給される「おむつ等購入費助成事業」など、さまざまな子育て支援があります。
また、令和5年4月1日以降に村内で新築を建設・購入したときには「住宅取得奨励金制度」として最大100万円の支援を受けられます。
このように、清川村では移住に対してさまざまな支援を行っているので、移住支援を受けたい方は清川村への移住を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:清川村「移住・定住」
神奈川の田舎に移住するときの注意点
ここまで紹介してきた地域に移住すると、移住支援や子育て支援などのさまざまなサポートを受けられます。しかし移住にはいくつか注意点もあり、支援金や制度だけを目当てに移住すると後悔してしまうこともあります。
移動するときには車が必要になる
神奈川は交通の便が良い地域なので、中心部などでは車を所有していなくても不自由なく暮らせます。しかし、今回紹介したような条件不利地域に指定されている地域で暮らしていくためには、車の所有が必要不可欠です。
車を持っていない方は移住を機に購入が必要になり、保険料やガソリン代、税金、点検代などの維持費の負担が増えることになります。賃料が低い田舎へ移住することで住居費は抑えられますが、車両費がかかることを頭に入れておきましょう。
地域独自のコミュニティがある
田舎暮らしをするときは、地域独自のコミュニティに溶け込めるかどうかも重要なポイントです。
昔からの付き合いが多い田舎では、近隣住民の付き合いが密なところも多く、都会の生活に慣れていると暮らしにくさを感じたり、窮屈に感じたりすることもあるでしょう。
実際に移住の後悔理由として「コミュニティになじめないこと」を挙げる移住者も多く、人間関係に辛さを感じて都会へと戻っていく方も少なくありません。
移住で後悔しないためには、まずは短期移住でその地域に住まう人たちと関わりをもち、移住後も暮らしていけるかどうかを確認することが大切です。
神奈川への移住は短期移住からのスタートがおすすめ
神奈川県への移住で移住支援金を受けられるのは「条件不利地域」に指定されている、山北町、真鶴町、清川村の3つの地域だけですが、それぞれの地域に魅力があり、移住先として人気を集めています。
移住だけではなく、結婚や子育て支援も充実しているので、これから結婚や出産を控えている方にもおすすめです。
そして移住を決断する前には「お試し移住」をしてみることをおすすめします。
のびのびと暮らせる田舎ですが、田舎ならではの人付き合いや暮らしにギャップを感じてしまう可能性もあるからです。
短期移住をするのなら、ウィークリー・マンスリーマンションの利用がおすすめ。
「神奈川県ウィークリードットコム」では、駅近や即日入居できるマンスリーマンションを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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